ポルシェ911 カレラ4&4S
in ベルリンの旧東独の飛行場
ポルシェの試乗会というと華やかそう!
と思う人は少なくないでしょうが、実はそうではないんです。
むしろ、落ち着いた、控えめな雰囲気の試乗会がほとんどです。
ホテルは文字どおり厳選されてはいますが、
華美さでアピールするようなホテルが選ばれることはまずありません。
つまり、ほんとうに落ち着けて、寛げるホテルが選ばれるということです。
ベルリン郊外で行われた、911カレラ4&4Sの試乗会もそうでした。

ポルシェはこうした寛げるホテルをよく使います。カレラ4&4Sのホテル中庭でのショットです。
しかし、主目的の「試乗」となると、まったく様相は変わります。
ポルシェの試乗会はいつも、
「ポルシェをポルシェらしく走らせられる」コースが、
そしてプログラムが用意されているのです。
となると……当然、
混雑した街やハイウェイで時間を費やすようなことはありません。
ポルシェ・サウンドを高らかに奏でて、
最高のトラクション感覚がもたらす快感を全身で感じ取りながら、
アクセルを踏める「コース」や「プログラム」が用意されているということです。
最新のカレラ4&4Sの試乗会もまたそうでした。
ハイパワーなフラット6を、高度に洗煉された4WDシステムを、
新開発されたダブルクラッチ式トランスミッション「PDK」を、
思い切り試す場として、
旧東独の軍施設だった飛行場が用意されていたのです。

プレゼンテーションの演出も実務的ですが、
ライバルたちと華美さを競う気などないことはハッキリしています。

911の後ろ姿には惹かれます。この後ろ姿、僕には「永遠のもの」に見えます。

白い911カブリオレとオレンジのバラ。悪くないでしょ!
ちなみに、この場所、かつてはミグ戦闘機が格納されていたのかもしれません。

旧東独の、軍飛行場跡に設けられたコース。かなりの高速ハンドリング・チェックもできます。

ディナーはこんな戸外で行われました。この籐いす、とても座り心地がいいんです。

ディナー会場はこの湖の畔にあります。

小さな小屋の中と外にテーブルがあります。
911を存分に味わった後の寛ぎ……心地よい時間でした。

陽が落ちると、湖へと伸びる板張りの小さな橋はこんな灯りで彩られます。
僕は新しいカレラ4&4Sを思い切り楽しみました。
いろいろなプログラムの中でも、いちばんすごい!と思ったのは、
「0〜250〜0km/h」プログラムでした。
ローンチコントロールを使って0から全力発進。
250km/hに達する辺りに立つポストを通過した瞬間、
フルブレーキングして停止する……というプログラムです。
僕は250ポストで259.8km/hに達し、
そこからのブレーキングは、
足がつりそうになりながら頑張った甲斐もあり、
「あなたが今日のチャンピンだ!」といわれました。
しかし、クルマにものすごい負担を強いるこのプログラムを、
6人連続してトライしたにもかかわらず、
ケロリとしていた911のタフさには改めて驚かされました。
ところで、「PDK」ですが、
今まで経験したすべてのダブルクラッチ式トランスミッションのベスト!だと、
躊躇なく報告することができます。
911は6速MTも最高のフィールの持ち主ですが、
「絶対的MT好き」でさえ、PDKに触れたら迷うだろうな……
と、僕は思いますし、実際そんな現象は起こっているようです。
なにはともあれ、ポルシェは最高です!
では、また明日。
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1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。



