新型BMW7シリーズの試乗記
in ドレスデン
この前、ドレスデンからのご報告を
「新型BMW7シリーズ国際試乗会 inドレスデン」
でしましたが、今回はより詳しくご報告します。
(記事はコチラ)
4代目(従来型)の7シリーズはなかなかの個性派でした。
「太い眉毛のような」ターンシグナルライトデザイン、
「バックパックを背負ったような」テールエンドデザイン、
初めて見たときはちょっと驚きました。
でも、過去の7シリーズは「実力はあっても、存在感は希薄」でしたから、
「これで7シリーズの存在感は強く押し上げられる」とも思いました。
今まではBMWのフラッグシップとしての役割を
十分果たしていなかったということです。

パワフルでダイナミックな顔つきには、BMWのフラッグシップの貫禄が感じられます。
しかし、太い眉毛とバックパックの4代目7シリーズは、
街でも、ハイウェイでも、強い存在感を発揮しました。
「好き嫌い」はハッキリ分かれましたが、それは計算済みだったはずです。
たとえば「夜の六本木」に、7シリーズが増殖するまで時間は掛かりませんでした。
目立つクルマ、迫力があるクルマ、存在感があるクルマを
なにより好む類の人たちに、
4代目の7シリーズ、特にロングボディは大歓迎されたということです。
こうして、7シリーズは「BMWのフラッグシップ」の地位を確立しました。
ラグジュアリー・サルーンとしての存在感を確固たるものにしたのです。
そして、この秋、5代目にバトンタッチされたのですが、
新しい7シリーズからは、太い眉毛もバックパックも消えていました。

この角度から見ると、スポーティなイメージがかなり強調されます。

紅葉の中を走る7シリーズの後ろ姿……穏やかで美しい背景に、
とてもよく馴染んでいるように見えませんか?
大きなキドニーグリル、パワフルなイメージのボンネット形状、
例の猛禽類の目のようなヘッドライト……
フロントはかなり迫力こそあるものの、嫌味はありません。
そして、リアスタイルからは、むしろ穏やかな印象すら受けます。
特徴的なCピラーの形状はもちろん受け継いでいますし、
サイドから見る姿は誰もがすぐBMWと分かります。

ホテルの前に「完璧に並んだ!」新型7シリーズ。
欧州のメーカーは、こうしたクルマの並べ方にまで強い拘りを見せます。

同じシーンを後方から撮ったものです。
パーソナル感とフォーマル感のミックス度もいい感じです。
4代目で「存在感」を確たるものにした7シリーズは、
新しい5代目では「カドの立った存在感」のアピールは抑え、
より幅広い人たちに支持される姿に変わったのです。
キャビンも魅力的な仕上がりでした。
数年前まで、BMWの内装には高い点数は付けられませんでしたが、
最近の内装はよくなりました。新しい7シリーズもなかなかいい仕上がりです!
BMWならではのスポーティさ若々しさに加えて、
ラグジュアリー度でもライバルたちに負けていません。

フラッグシップといえども、基本的にドライバーズカーであることはこの写真からもハッキリわかります。

後席の快適性もむろん文句なしですが、僕はドライバーズシートに座る方を選びます。
今回試乗したのはトップモデルの「750Li」。
407ps/600Nmを発生する4.4l+ツインターボのV8を積んでいます。
いろいろな新しいメカニズムも採用されています。
初期モデルにありがちなバラツキこそあったものの、
基本的な実力はBMWのフラッグシップに相応しいものでした。
ドレスデン近郊はあいにくの雨。
しかし、750Liはウェットのアウトバーンで、
200km/hオーバーのクルージングを快適に楽しませてくれました。
新しい7シリーズ、特にロングモデルが、
ラグジュアリー・サルーンとして高い地位を獲得するのは間違いないでしょう。
では、また明日。

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BMW・Z4とボルボ・V50


1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。



