2008.09.16 09:30

岡崎宏司の考察と結論
MINI クラブマン その1

早い時期からプレミアムカーとしての
明快な地位を確立したニューMINI


 初期のニューMINIには、初代MINIのイメージを重ねたカラフルなモデルが多かった。しかし、それは短期間のことだった。プレミアムセグメントの多くが黒やシルバーを纏い出すと同時に、MINIもそれに習った。とくにパリやミラノのMINIの変わり身は速かった。世界のトレンドをリードする街のMINIたち、そしてその乗り手たちは、驚くべき速さでカラフルな装いを脱ぎ捨て、シックなトーンに衣替えした。

@zino_minic_b.jpg

 つまり、パリやミラノでのMINIは、早い時期からプレミアムカーとしての明快な地位を確立し、トレンドに敏感な洒落者たちがコアユーザーになっていたということだ。

 そのラインナップにカブリオレが加わることでプレミアム度はさらに押し上げられた。 カブリオレはとくに女性の人気が高いが、「どうしてこれほどまでに!?」と首を傾げてしまうほど、素敵な女性がステアリングを握るMINIカブリオレを見かける。

 それも、爽やかに軽やかにお洒落を楽しむような女性、といった印象だが、確かに、MINIカブリオレには、そうした女性に相応しい要素がぎゅうぎゅうに詰まっている。そして今回、3番目のボディバリエーションになるクラブマンが登場したわけだが、ハッチバックより全長は240mm長く、ホイールベースも80mm長い。しかし、その新スペックは、MINIの小粋さ/スポーティさに少しのマイナスももたらしていない。

 右側のピラーレス観音開き式「クラブドア」、そして、真ん中から左右に開く後部の「スプリットドア」もまた、優れた実用機能を持ちながらも、小粋さ/スポーティさにマイナスをもたらしてはいない。

 全長とホイールベースの延長は、後席の居住性と荷物の積載容量を大きく引き上げている。ざっとみて、175cmサイズの大人が4人楽に乗れるし、4人乗って大型トランクも積める。「実用性/多用途性が格段に向上した」ことは確かだ。

 「後席が狭いから」、「荷物が積めないから」……こうした理由でMINIを買えなかった人も買えるようになった。

 さらには、ホイールベースが伸び、車重が少し重くなったから、乗り心地もよくなったし、高速の安定性にも落ち着きが出た。

 とはいえ、とくにクーパーSは、パワーも十分だし、ゴーカート的な身のこなしも、やんちゃな走り味も失ってはいない。

 まあ、そんなMINIクラブマンだが、後席も広くなったし、荷物も積めるようになったし、使い勝手もよくなったから……さあどうぞとは、私は言いたくない。

 

(『@ZINO』2008年掲載記事)