超弩級の選択 ポルシェ2台持ち その2
ロールをしない
それでいて違和感はまったくない
「ポルシェがSUVを作るなんて!」……熱心な911ファンが嘆いた気持ちもわからないではないが、私が911のオーナーで、他にもう1台多用途に使えるクルマ=SUVを買わなければならないとしたらどうするか。カイエンのカタログを見ながら、他のSUVを選ぶことができるか……答えはノーだ。

思い切り嗜好を変えて、レンジローバーという手もあるが、ポルシェ2台を並べるほうがインパクトは強い。さらに2台ともターボモデルとなればインパクトは圧倒的だ。
圧倒的といえば、カイエン0〜100km/hを5.1秒で駆け抜ける加速力には、911ターボとはまた別種の凄みがあり、快感がある。
試乗したカイエン・ターボには、横Gで0.65Gまでロールをゼロに抑え込むシステム、PDCC(ポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロール=エアサスペンション装着車にオプション設定)が装着されていたが、峠道を少々飛ばしたくらいではまったくロールしない。しかも、不自然は一切感じさせない。
ロールしないことによって、相対的にピッチングやバウンシングを感じやすくなる傾向はあるものの、背の高いSUVの走りにPDCCがもたらすプラスは大きい。
パリでもLAでもカイエンターボのボディカラーは黒が多いが、「今の気分」としては輝度の高いシルバーにしたい。トリムは黒のレザー。できれば911ターボもカイエンターボも2台ともだ。その内外装のコーディネーションで選びたい。
ド迫力の2台が、シックに気取った今風のメタリックな装いで並ぶのは、すごくいい眺めだろう。
それに、メタリックな装いなら、911ターボのブレーキキャリパーの黄色(PCCBの場合)、カイエンターボの赤が、ワンポイントとしてひときわ映えるはずである。
あとは自分の装いを整えるだけ。
基本的には上質な白のシャツを中心にモノトーン系でまとめる……スーツを着けるなら紺系のエルメネジルド ゼニア。そして、靴はタニノ・クリスチー……そんなところが、私が思い浮かんだイメージだ。
ポルシェの中でももっともホットな911ターボとカイエンターボのコンビネーション。それを嫌味なく「こなす」には、ボディカラーと振る舞いはクールに決めて、装いはシックに決める……その辺りがポイントになるのではないかと私は思っている。
(『zino』2007年7月号掲載記事)

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1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。



