2008.09.16 09:30
ドイツのビジネスシーンは
「濃口」ポルシェが旬! その3
ポルシェの国のポルシェに乗る人たちは素敵だ!
ここからは、先に少しだけ触れた911の話をしよう。
今回のウォッチングでいちばん驚ろかされたのが実は911だった。
ほぼ小一時間ほどのラッシュのピーク時に、私の目の前を通り過ぎていった911は、恐らく40〜50台ほどだ。それも996型はわずかで、ほとんどが997型なのだから恐れ入った。
ボディカラーは黒を筆頭に、濃いグレーと濃紺系ですべて。昼間は見かけた、シルバーや白の911が姿を見せることはまったくなかった。
同じことは、ターボやGT3にも当てはまる。この時間帯は、カレラとカレラS(4/4Sも含む)、そしてそのカブリオレモデルのみ。ビジネスエリートたちの選択肢から、明るいボディカラーや、大きなリアウィングを纏ったモデルは除外されているということになる。しかし、カブリオレは彼らの選択肢に入っている。
どう見てもビジネスエリートにしか見えない男が乗ったカブリオレを何台も見かけたから、まず間違いはない。ほとんどがクローズドで走っていたが、ジャケットだけ脱ぎ、きちっとタイを着けたままオープンで走っているカブリオレも2台見た。これがまた素晴らしくいい眺めだった。オープンとビジネスタイ姿をまったく違和感なく馴染ませる乗り手にも敬服するが、やはりそれより911の懐の深さに敬服しないわけにはゆかない。見事なものである。
日本でも、例えば東京のビジネス街、丸の内周辺で、こうした光景をいつか見ることができるようになるのだろうか。私には想像がつかないが、そうなったらいいなとつくづく思う。
男にしても女にしても、「ポルシェの国のポルシェに乗る人たち」は素敵だ!。「ポルシェ(911)を着こなす」という表現があるが、今回の旅は、そのショーケースをタップリ見せられたような旅だった。
写真/千葉 充
(『zino』2007年12月号掲載記事)

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1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。



