成熟した社会に認められた
アウディという個性 その3
知性と華やかさ穏やかさと
強さなど多面的な魅力を持つ
夏の一時期に限るが、アウディA8が突出して目立つ街がある。オーストリアのザルツブルグだ。
ザルツブルグ音楽祭の時期、アウディA8は世界から集まる音楽好きのVVIPたちの足になる。アウディはこの音楽祭を長くサポートし続けているが、正装した紳士・淑女を乗せ、暮れなずむ祝祭劇場の前に次々とA8が滑り込んでくる様はちょっとした見物だ。
静かな興奮が、知的な昂ぶりが辺りを包む……そんな雰囲気にアウディA8は実によく馴染む。

アウディのサポートといえば、ザルツブルグ音楽祭の他にも、サッカーのレアル・マドリッド、バイエルン・ミュンヘン、スキー・アルペン競技のワールドカップ等々を思い出す。この8月、初めてセント・アンドリュースで開催された全英女子オープン・ゴルフで、初日から首位を独走。通算5アンダーパーと圧倒的なスコアでメジャー初勝利を飾ったロレーナ・オチョア(メキシコ)もサポートしている。
2日目のTV中継を見たが、超一流アスリートとしては細身のオチョアの装いは、白いシャツ、淡い草色のセーター、薄いグレーのパンツ、白のキャップとシューズ……セレクトも着こなしも目を瞠るほど素敵だった。アウディのイメージにピッタリの選手だと思った。 A8をフラッグシップにするアウディは、クラシックとモダン、知性と華やかさ、贅沢さとシンプルさ、落ち着きと刺激、穏やかさと強さ、等々、多面的な魅力をもつ。
そんな多面的魅力をさらに拡げ、輝かせたいのであれば、特別なオーダーシステム、「アウディ・エクスクルーシブ」を使えばいい。
基本カタログはあるが、時間と費用を厭わなければ、腕利きの職人の技をも含めて、アウディの持ち駒のすべてにアプローチできる。
私がA8に乗るなら、たぶん、ボディカラーは黒に近い濃紺にする。 乗り心地にさえ問題がなければホイールは9スポークの20インチ。 オフホワイトのステッチを縫いこんだグレイの革内装とピアノブラックのパネル、そしてもちろんB&Oも注文する。
派手に振舞いたくはないが、粋には振舞いたい……アウディA8はそんな男に似合うし、ミラノでもそんな男たちが乗っている。
知的で、経済力があり、装いのセンスもいい………そんな男たちが増殖している日本でも、これから、ミラノのようにA8を粋に乗りこなす男がどんどん増えてゆことだろう。
(『zino』2007年11月号掲載記事)

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1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。



